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すごい効果!ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種について

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ヒトパピローマウイルス​(HPV)感染症と子宮頸がんの関係

ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされているごく一般的なウイルスです。しかし、このウイルスは子宮頸がんを始め、肛門がん、膣がんなどのがんや尖圭コンジローマ等多くの病気の発生に強く関わっています。近年20歳代や30歳代の、若い女性の子宮頸がん罹患が増えています。

先日、子宮頸がんで亡くなっていく若いお母さんが、残される幼子へのメッセージがかわいそうで泣けるとネットで話題になったのを見て、「この方も、HPVワクチンを受けていたら子宮頸がんにならずに済んで、幸せな親子関係が続いたのだろう」と悔しくてなりません。一部の悪意を持った(としか思えない)マスコミが、ワクチン接種するとこんな大変なことが起こるぞ」と言わんばかりに衝撃的な映像を流して、思春期のお嬢さんがいる親御さんたちは、HPVワクチン接種が恐ろしくなり、ワクチン接種を受けなくなり、ついには2013年に厚労省はワクチンの積極的接種を一時中止してしまったのです。このことでネットで話題になったあの子宮頸がんで亡くなっていくお母さんはHPVワクチンの接種の機会を逃してしまい、子宮頸がんになったのです。

HPVワクチンを積極的に推進している米国、英国、オーストラリアでは子宮頸がんの発症が90%も抑えられています。HPVワクチンは、現存する唯一のがん予防ワクチンです。

ワクチン接種後の副反応について

3年前まで私は、HPVワクチン接種後に起こった副反応と思われる症状を持つお嬢さんを診察して県に報告する係をやっていましたし、全国の担当者が集まって行う検討会にも参加して来ました。実際、ワクチン接種を契機に身体の不調を訴える患者様はいます。でも、頻度はごくごくまれですし、厚労省の研究班の結論も、HPVワクチン接種の有無にかかわらず、思春期のお嬢さんには同じような身体の不調を訴えるかたが、まれにいることがわかってきました。最終的にHPVワクチンの副反応の頻度は、他のワクチンと同程度だと結論づけられました。

HPVワクチンの積極的接種の推奨再開

​2年前からまた、このHPVワクチンの積極的接種が行われていますが、残念なことにあまり実施されていないようです。当地、駿東郡清水町では、現在のところ無料接種対象者のたった12.5%しかHPVワクチン接種を受けていないとの報告があります。コロナ問題もあり、ワクチン接種が多く、躊躇している方も多かったのかもしれませんが、それにしては、このHPVワクチン接種者があまりにも少なすぎます。

 このHPVワクチンは接種する時期が重要で、性的デビューを果たす前に接種を完了する必要があります。

 小学校6年~高校1年のお嬢さんと積極的接種が行われずに接種の機会を逃した若い女性(1997年4月2日から2008年4月1日生まれの方)がいらっしゃる家庭では、市町村から家に送られてきた無料クーポンを含む書類をもう一度確認して、愛するお嬢さんが将来、子宮頸がんにならないように、ぜひともワクチン接種を検討してください。このキャッチアップ接種制度は、2025年3月までに接種を終了する必要があり、今年10月までには接種を始めなければなりません。

HPVワクチンの新しい情報

今年4月からHPVワクチンが3種類に増えました。今までの2価ワクチン(サーバリックス®)、4価ワクチン(ガーダシル®)に加え、9価ワクチン(シルガード9®)が選択できるようになりました。3種類とも子宮頸がん発症予防効果には大きな差はないようですが、9価ワクチンは、接種開始が15歳未満なら、2回で済むようになりました。

 

HPVワクチンに関するわかりやすいYouTube配信

この2つは、私が見て内容に問題ないと認めたものです。

①「子宮頸がんとHPVワクチンに対する正しい理解のために」

俳優の古村比呂さんと現役女子大学生の対談で始まる一般の人向けの講習会 YOU TUBEで配信

②大阪大学HPVワクチンセミナー 堀江貴文さんと阿南里恵さんがディスカッションに参加されています。​ YOU TUBEで配信

2024年4月

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