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(重要)ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種について

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ヒトパピローマウイルス感染症と子宮頸がんの関係

HPVワクチン接種後の副反応について

HPVワクチンの積極的接種の推奨再開

ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。子宮頸がんを始め、肛門がん、膣がんなどのがんや尖圭コンジローマ等多くの病気の発生に関わっています。特に、近年若い女性の子宮頸がん罹患が増えています。

先日、子宮頸がんで亡くなっていく若いお母さんが、残される幼子へのメッセージがかわいそうで泣けるとネットで話題になったのを見て、「この方も、HPVワクチンを受けていたら子宮頸がんにならずに済んで、幸せな親子関係が続いたのだろう」と悔しくてなりません。一部の悪意を持った(としか思えない)マスコミが、ワクチン接種するとこんなことが起こるぞと言わんばかりに衝撃的な映像を流して、思春期のお嬢さんがいる親御さんたちがHPVワクチン接種が恐ろしくなり、ワクチン接種を受けなくなり、ついには2013年に厚労省はワクチンの積極的接種を一時中止してしまったのです。このことでネットで話題になったあのお母さんはHPVワクチンの接種の機会を逃してしまい、子宮頸がんを発症したのです。

HPVワクチンを積極的に推進している米国、英国、オーストラリアでは子宮頸がんの発症が90%も抑えられています。HPVワクチンは、現存する唯一のがん予防ワクチンなのです。

 

3年前までわたくしは、HPVワクチン接種後に起こった副反応と思われる症状を持つお嬢さんを診察して県に報告する係をやっていましたし、担当者が集まって行う検討会にも参加して来ました。実際、ワクチン接種を契機に身体の不調を訴える患者様はいます。でも、頻度はごくごくまれですし、厚労省の研究班の結論もHPVワクチン接種の有無にかかわらず、思春期のお嬢さんには同じような身体の不調を訴えるかたが、まれにいることがわかってきました。そして、HPVワクチンは、他のワクチンと同程度の副反応だと結論づけられました。

 

昨年からまた、このHPVワクチンの積極的接種が行われていますが、あまり実施されていないようです。コロナ問題もあり、年度末は受験もあるので躊躇している方も多いのかもしれません。しかし、このHPVワクチンは性的デビューを果たす前に接種することが効果的です。小学校6年~高校1年のお嬢さんと接種の機会を逃した若い女性(キャッチアップ接種)がいらっしゃる家庭では、市町村から家に送られてきた無料クーポンを含む書類をもう一度確認して、愛するお嬢さんが子宮頸がんにならないように接種を検討してください。 岡崎医院からのお願いです。

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