肺炎について
肺炎で亡くなる日本人の95%以上が65歳以上です。
高齢になるとちょっとしたきっかけで肺炎を起こしやすくなり、急激に症状が進むこともあります。65歳以上の方にとって、けっして軽視できない疾患なのです。コロナ禍で見落とされがちですが、高齢者にとっては恐ろしい疾患の一つですが、予防できる疾患でもあります。
肺炎の症状と治療
(肺炎の症状)
肺炎の症状は、風邪の症状に似ていることも多く、「発熱・咳・たん・息苦しさ・胸の痛み」などがあります。ただし、すべての方に、これらの症状が出るとは限りません。高齢者では、「熱もない、咳も出ない、なのに倦怠感が続く」「疲労感があり食欲がわかない」など、症状がわかりづらい場合が多いとされています。たとえ、肺炎らしい症状が出ていなくても、また症状が軽いからといって、そのままにしてはいけません。必ず病院を受診してください。
(肺炎の治療)
病院を受診して肺炎が疑われたときは、まず重症度が調べられます。その際、肺や腎臓、心臓などの働きをみて、場合によっては、通院ではなく入院治療が必要となることもあります。
次に肺炎の原因となっている菌の種類を調べます。結果が出るまでに時間がかかる場合もありますので、原因となりそうな菌に対して薬(抗生物質)が選ばれます。
原因となる菌が明らかになれば、その菌に効く薬(抗生物質)が選ばれます。ただし、菌の種類は多く、さらに「以前はその薬が効いていたのに、今は効かなくなった」という“耐性菌”という菌も増えています。このため、原因となっている菌を特定して、確実に効果のある薬を選ぶことは、難しい場合も多く、いったん発症した肺炎の治療は、医師といえども、簡単ではありません。
(肺炎の予防)
まだまだ若いと思っていても、年齢とともに、からだの抵抗力(免疫力)は低下しています。日頃、元気で健康的な毎日を送っている方でも、高齢になると、体調の変化などのちょっとしたことがきっかけで肺炎を引き起こしやすくなり、急激に症状が進むこともあります。
また、以前の喫煙習慣で肺気腫や慢性気管支炎になっている方は肺炎にかかりやすく、かかると重症化しやすいので注意が必要です。
肺炎で亡くなる日本人の多くが高齢者であること、普段元気な高齢者が日常でかかりやすい肺炎の原因菌は肺炎球菌とインフルエンザウイルス、RSウイルスであることから、特に高齢者では、防げる肺炎であるインフルエンザウイルス、肺炎球菌やRSウイルスによる肺炎をワクチン接種で予防することが重要になります。
肺炎球菌ワクチンもインフルエンザワクチンも一部公費補助で受けることができます。
「予防接種情報」のページをご覧ください